Metasequoia 4.6(Ver4.6.9)では、RenderMan21より追加されたシェーダ「PxrSurface」に対応しました。
「PxrSurface」は、これまで数種類あったRenderMan用シェーダと同様の材質設定を1種類でまとめて設定できるシェーダです。
これによって材質作成時のシェーダの選択が簡便になる他、複数の効果を組み合わせた材質設定を行うこともできます。
シェーダの設定方法
材質リストから作成した材質の「材質設定」を開き、シェーダのリストから「PxrSurface(RenderMan)」を選択してください。
「PxrSurface」は様々な材質を表現できるようになっているため、設定するパラメータが非常に多くなっています。
パラメータは各セクションごとに分けられており、セクションのタイトルをクリックすると表示されます。
PxrSurfaceのパラメータと設定例
PxrSurfaceの一部のパラメータについて、簡単な設定例を紹介します。
設定例(1)鏡
反射光(Specular)を使って、周囲のオブジェクトが映り込む鏡のような材質を設定してみます。
材質を新規作成してシェーダに「PxrSurface」を設定し、鏡のオブジェクトに適用してください。
(1)まず諸設定の「拡散光」を0.00にします。
これによって、反射光と拡散光が合わさって明るくなりすぎるのを防ぎます。
→ |
(2)反射光(Specular)の「Face Color」の値を上げます。この値が大きいほど反射がくっきりし、低いと鈍い反射になります。
鏡の場合は最大値の1.00にします。
初期状態からFace Colorだけを上げた場合、鏡像がぼやけて映ると思います。くっきり映る鏡にするため、次の値を設定します。
(3)「Roughness」を設定します。
これは材質の表面の粗さで、値が高いと材質の表面がざらざらして光をまっすぐ反射しなくなります。
Roughnessの初期値は0.20になっています。0.00にすると鏡像がぼやけなくなります。
設定例(2)ガラス
透明なガラスの材質設定について説明します。
材質を新規作成してシェーダに「PxrSurface」を設定し、ガラスのオブジェクトに適用してください。
(1)諸設定の「拡散光」を0.00にします。
これによって、拡散光が透過した光と合わさって明るくなりすぎないようにします。
→ |
(2)ガラス(Glass)の「Refraction Gain」の値を上げます。
Refraction Gainは材質の透過度を表します。値が大きいほど透明になります。
透明なガラスにしたいので、Refraction Gainを1.00に設定します。
オブジェクトの縁が黒くなっています。これを修正するために次の値を設定します。
Reflection Gainはガラスの端などの外観に影響します。
こちらも1.00に設定します。これで透き通ったガラスの材質設定ができました。
その他のガラスの材質設定
「Refraction Color」で色を設定すると色付きのガラスになります。
「Roughness」の値を上げるとすりガラスを表現できます。
「Refractive Index」は屈折率の設定です。初期値1.50が一般的なガラスの屈折率として設定されています。
屈折率が大きい方(右)が映り込みの歪みが大きくなります。
設定例(3)金属
材質アセットライブラリの利用
Metasequoia Ver4.6.9から追加された「材質アセットライブラリ」には、PxrSurfaceを使用した設定済みの材質が収録されています。
「材質を追加」から使用したい材質を追加できます。この材質はそのままオブジェクトに適用して使ったり、材質設定から色などを変更して使用することができます。
金属の表現
金や鉄、ニッケルといった金属等、特定の物質を表現したい場合には、物質固有の反射率を再現するためのパラメータがあります。
反射光(Specular)セクションの「Fresnel Mode」でPhysicalを選択します。Physicalは物質固有の反射率に基づきより物理的なシミュレートを行うモードで、「Face Color」は無効になり、「Refractive Index」と「Extinction Coef.」で反射光を設定します。
材質アセットライブラリには各種金属の反射率を設定済みの材質が登録されています。これらの材質をそのままオブジェクトに適用して使うことができます。
その他のパラメータやさらに詳細な解説についてはRenderManのドキュメントをご参照ください。
https://rmanwiki.pixar.com/display/REN22/PxrSurface(外部サイト)
※Metasequoia 4はPxrSurfaceの主なパラメータにのみ対応しております。上記ドキュメントに記載されている一部のパラメータはMetasequoiaでは編集できません。